中国から商品を仕入れたことがある人なら、一度は経験しているはずです。届いた商品を開けると、明らかに壊れているもの、色が違うもの、数が足りないものが混ざっている。

結論から言うと、不良品は織り込み済みで動くのが正解です。「不良品をゼロにする」という発想から離れたとき、初めて中国輸入の本当のコスト構造が見えてきます。

不良品率10〜15%を前提に原価計算する

私が実際に仕入れを続けてきた感覚では、10〜15%程度が不良品として混入していると見ておくのが現実的です。

これを聞いて「それだと利益が出ない」と思うかもしれません。ところが、中国からの仕入れ原価は圧倒的に安い。数元(数十円)レベルの商品を扱う世界では、10〜15%の不良品率を織り込んでもなお、利益を出せる構造が成立します。

具体的には、仕入れ原価に不良品ロス分(仕入れ値 × 不良品率)を上乗せして、それでもAmazonでの販売価格から利益が出るかどうかを計算する。この数字が合えば、動いていい商品です。

不良品は「失敗」ではなく「コスト」として最初から計上する。この思考の切り替えが、中国輸入を続けるうえでの基本です。

本当の問題は不良品そのものではない

不良品率が高くても利益は出る。では何が一番怖いのか。

Amazonのレビュー崩壊です。

検品せずに不良品をそのまま出荷すると、受け取った購入者がBADレビューをつけます。レビューが悪化するとAmazonのSEOが下がり、検索上位から外れ、一気に売上が落ちる。

このサイクルに入ると立て直しが非常に難しい。レビューの回復には時間がかかり、その間も手数料は発生し続けます。不良品のコストよりも、レビュー崩壊のコストの方がはるかに大きい。だから検品は必要なのです。

商品選びで不良品リスクを下げる

検品の手間を減らす一番の方法は、最初から不良品が出にくい商品を選ぶことです。

製造工程が少なくシンプルな構造の商品は、そもそも不良率が低い。機械で一工程で作られるような商品は、人の手が入る箇所が少ない分、バラつきが出にくい。逆に、複数パーツの組み合わせや手作業の多い商品は不良率が上がりやすい。

個数入り商品には特に注意が必要です。「20個入り」などの数量指定がある商品は、数が合わないことが常態化しています。単価が安いがゆえに工場側も人件費をかけて数えておらず、過不足は仕方ないと割り切るしかありません。個数モノを扱うなら、数量ロスもコストに入れておく必要があります。

検品・梱包・出荷の外注化

日本国内での検品は手間がかかりますが、それが差別化になります。ライバルの中国セラーが検品なしで出荷している中で、きちんと検品された商品を届ければレビューの質が安定する。

私は複数の外注先に検品・梱包・出荷を委託してきました。外注先からは「大変だ」という声が多く上がりましたが、それでも一人でやるよりはるかに大きな規模で動かすことができました。

仕組みを作るまでが大変ですが、外注化できれば一人の力を超えたスケールが見えてきます。

結論:一人が食べていくには十分

正直に言うと、一人が食べていくレベルの売上と利益は、中国輸入のAmazon物販でも十分に達成できます。

不良品率を正確にコスト計算に入れ、レビューを守るために検品を徹底し、外注化で仕組みにする。この3つを押さえれば、中国セラーと同じフィールドでも戦い続けることは可能です。

ただし、これはあくまで「今の構造の中で戦い続ける」話です。市場の構造そのものが変わっていく中で、中国工場に依存しない商品設計や、より参入障壁の高いカテゴリへのシフトも、並行して考えていく必要があります。