Amazonで売れる商品のトレンドは、どこから来るのか。なんとなく「海外から入ってくる」とは感じていても、その流れを具体的に追える人は少ないと思います。
アジアのトレンドの発生源は一つではありません。ただ、RedNote→タオバオ→1688というルートは、その中でも特に大きく・追いやすい流れの一つです。この連鎖を把握しておくだけで、半年〜1年先の動きが見えてきます。
アジアのトレンド発生源の一つ、RedNote(小红书)
まず見るべきは**小红书(シャオホンシュー/通称:RedNote)**です。中国版インスタグラムのようなアプリで、業界メディアでも「美容・ファッション・ライフスタイルのトレンドが生まれる大きな発生源」として広く認識されています(Marketing Interactive)。
日本ではまだなじみが薄いですが、中国の若い消費者の間では圧倒的な存在感を持つプラットフォームです。投稿は画像・動画・テキストを組み合わせた「ノート」形式で、インフルエンサーが新しい商品・ライフスタイル・トレンドを発信します。
ここで注目したいのは、工場オーナーの子世代がRedNoteを使って自社商品を宣伝しているケースが増えていることです(同メディア確認)。工場側がインフルエンサーに商品を渡して投稿を依頼するケースもあります。いわば、工場が市場調査をRedNote上でリアルタイムに行っている状態です。
バズが起きると工場が動く
RedNoteで投稿した商品にいいねが5,000を超えるようなバズが起きると、工場は本格的な量産に踏み切ります。
次にその商品がタオバオ(中国の大規模C2Cプラットフォーム)で販売され始め、実際に売れることが確認されると、中国全土の工場が同じ仕様の商品を作り始めます。同じような商品が中国国内に一気にあふれる。
そのあふれた商品が1688などの卸サイトに並び、日本や世界の輸入セラーが仕入れる商品として流通するようになります。
なお、RedNote→タオバオの流れは2025年5月にAlibabaが正式提携を発表し(Reuters)、RedNoteの投稿内からタオバオの商品を直接購入できる仕組みが公式化されました。この連携は今後さらに強まる方向です。
トレンドの連鎖をまとめると、こうなります。
RedNote(バズ発生)→ タオバオ(中国国内で販売検証)→ 1688(量産・卸)→ 日本のセラーが仕入れ
このフローが生むトレンドのカテゴリ
RedNote→タオバオ→1688の流れが特に強いのは、次のようなカテゴリです。
美容・スキンケアはこのルートの主戦場です。韓国コスメの影響を受けながら、中国独自のスキンケア成分・ルーティンがRedNoteで広まり、タオバオで商品化されていきます。
ライフスタイル雑貨・インテリアも活発です。「おしゃれな部屋づくり」「ミニマルな収納」といったコンセプトがRedNoteで拡散し、それに合った商品が量産される流れがあります。
ガジェット・スマホアクセサリーは回転が速い。新しいデバイスが出るたびに対応ケースや周辺機器がRedNoteで話題になり、1688にすぐ並ぶ。
フィットネス・健康グッズも近年急増しています。中国の若い世代の健康意識の高まりが、RedNoteで新しいトレーニングや商品カテゴリを生んでいます。
逆に、このルートが弱いカテゴリもあります。食品・日用消耗品・許認可が必要な分野は、RedNote→タオバオで話題になっても1688経由で日本のAmazonに直結しにくい。
SHEINが「日本向けフィルター」になる
ただし、中国でバズった商品が日本でも売れるかどうかは、その時点ではわかりません。文化・好み・季節感が異なるため、中国でヒットしても日本では刺さらないことは多い。
そこで参考になるのがSHEINです。SHEINは日本市場にも積極的に展開しており、RedNoteやタオバオで話題になった商品をいち早く日本向けにラインナップしています。
SHEINで販売が始まり、売上が伸びている商品を確認できて初めて、「日本のAmazonでも通用するかもしれない」というエビデンスが揃います。SHEINをフィルターとして使うことで、中国トレンドと日本市場の相性を確認できる。
さらにもう一段階あります。SHEINで買った日本人ユーザーがその商品をTikTokで紹介し始めると、火がつくことがあります。TikTokでバズると多くのユーザーが一気に探し求め、日本国内の在庫が極端に薄くなる。この瞬間が、Amazonセラーにとってのチャンスです。
大量の供給をいち早く市場に投入できた人が勝者になります。 SHEINへの掲載を確認した段階で1688への発注を準備しておき、TikTokの反応を見ながら素早く動く。この判断の速さがそのまま売上の差になります。
つまり完全な流れはこうです。
RedNote(バズ発生)→ タオバオ(販売検証)→ 1688(量産・卸)→ SHEIN(日本市場テスト)→ TikTok Japan(爆発的拡散)→ Amazon Japan(在庫争奪)
毎日見なくていい、定期的に流れをつかむ
RedNoteやタオバオを毎日チェックする必要はありません。週に一度、あるいは月に数回、大きな流れを眺めるだけで十分です。
「今、RedNoteで何が話題か」→「タオバオで実際に売れているか」→「SHEINにラインナップされたか」という順番で確認する習慣を持つだけで、半年〜1年後のAmazon Japanのトレンドを先読みする精度が上がります。
トレンドは突然生まれるわけではありません。RedNoteで火がつき、タオバオで育ち、1688で量産され、SHEINを経て日本に届く——この流れを知っているだけで、次に売れる商品を探す視点がまったく変わります。